◆水引の起源や歴史産業
水引の歴史と起源
飯田の水引
今でこそ様々な祝儀や結納飾りなど「ハレ」の日を演出する小道具として欠かせない水引。
水引の原形は、遥か飛鳥時代にまでさかのぼります。
遣唐使の答礼使が唐から携えてきた献上品に、海路の平穏を祈願した紅白の麻が
むすばれていたといわれます。
以来、宮廷への献上品には紅白の紐を結ぶ習慣が定着し、時代を経て民間
にも広がり、今日の風習へと定着しました。
水引づくりは江戸時代に飯田で興りました。
気候風土や立地条件が適していた事から、産業として着実に発展し、
現在では全国シェアーの70%を占める大生産地となっています。
近年は金封や結納品に加え、芸術品としての水引細工に取り組むな
ど、新たな需要の開拓も幅広く図っています。
さまざまな礼儀の場を通し、水引は人と人、心と心を結ぶ、
なくてはならない美風として定着しています。
水引の起源をはじめとして、日本には古来より「結ぶ」事に対する
深い信仰がありました。おめでたい席に欠かせない「松竹梅」や「鶴
亀」は中国の吉祥思想や蓬莱思想の影響を強く受けていますし、「花
結び」や「結びきり」といった結び方用い方の細かい約束事が残っ
ているのも、私たち日本人が、「結ぶ」ことにやはり特別の思いを
持っているのにほかならないのです。